この度 COMPLEXBOOST は、三澤亮介の新作個展『Give my regards to BLUE.』を開催致します。
三澤亮介は、1992 年福井県生まれ。広告代理店を経て写真家デビューしたのち、2020 年より現代アーティストとしての活動を本格 化。今年は、国内最大級のアートとカルチャーの祭典「MEET YOUR ART FESTIVAL 2022 ‘New Soil’」やスイスのVOLTA BASEL、韓国のアートフェアKIAF Plusなど国内外にわたり飛躍的に活動を行なっております。
本会場で開催される展覧会は、これまで三澤の主要な個展で発表してきたデジタル作品ではなく、ペインティングを中心とした構成となっております。三澤がこれまで影響を受けた映画や写真などの作品からオマージュした架空の映画『Give my regards to BLUE.』をテーマとし、その劇中に登場する人物のポートレート写真を三澤自身が撮影するというルールのもと制作を行った作品です。登場人物のキャスティングは、三澤が多様な人種や性別の写真素材を複数集め、それを解体、合成、再構築することで新たな人物を作り出し、人種や国籍、性別を問わない存在(=Them)として架空の3人が登場致します。展示作品は、その映画で撮影されたThemのポートレート写真となっております。

三澤は今回の展示について、「彼らを僕自身が撮影したと仮定したポートレート群は、鑑賞者に対して自身や世界の"イマ"を投影する機会を創出する。人間の普遍的な儚さをシャッタースピードの調整によって起こる揺れ動く光で表現している。大切な事は、いつの時も言葉や表情にして伝え切れる事だけでは無いのかも知れない。これは映画や写真、デジタル表現の先にある、僕の新しい挑戦の始まりである。」と話します。

そもそも三澤の作り出す人物像は、もともとある写真や作品データを解体することによって、そのものが形成される前の本来の姿に戻し、新たに主観的に戻していく作業によって作り出されます。このメディアを往復、逆行するメディアパラドックスを偶発的に生み出す独自の手法によって作品を制作している三澤にとって、ペインティングというアナログな動作に戻ることは、すでに彼にとっては自然なこととして捉えることもできます。境界線を境界線として捉えず、新しいデジタル作品の延長として常に生み出しているのではないでしょうか。そんな三澤の作品は、普段デジタルとアナログを行き交う私たちを投影するものであり、より理解を深めることになるでしょう。

【三澤亮介 個展 】
「Give my regards to BLUE.」
会期：2022年10月22日(土)~11月6日(日) ※月曜、火曜定休
会場：中目黒complexboost　
〒153-0042 東京都目黒区青葉1-15-10
オープン時間 : 12:00~18:00