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『牧野伊三夫展 塩と杉』5月16日(火)〜7月17日(月)@生活工房ギャラリー

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6月

海辺の製塩所と、山の林産地をたずねて

太古の昔から、人は自然と共生し、その恵みを受けて命をつないできました。本展は画家・牧野伊三夫が、そうした人々の営みを見つめるなかから生まれた作品と活動を紹介するものです。

展示前半の塩のパートでは、海辺の製塩所から生まれた新作絵本『塩男』(あかね書房)を取り上げます。福岡県の糸島半島にある製塩所を取材して描いた同作のスケッチや原画などの関連資料とともに、全長10mを超える壁画によって作品の世界を展示紹介します。

絵本『塩男』(2023年/あかね書房)表紙 ※会期中、牧野伊三夫関連書籍をTSUTAYA三軒茶屋店(生活工房ギャラリー階下)にて販売中


展示後半の杉のパートでは、岐阜県の高山市と大分県の日田市で牧野さんが取り組む活動を紹介します。

今から13年ほど前、アートディレクターの友人に連れられて高山市の老舗家具メーカー飛騨産業を訪れた牧野さんは、やがて同社の広報誌の制作に携わるようになり、その後キッチン用のワゴンをデザインするなど、さまざまな活動へと発展しました。

一方日田市には、牧野さんは最初、山で働く木こりの人たちを描くために訪れました。そして、地元の人たちと地域の林業を応援する「ヤブクグリ」という会を発足することになります。「いま、森を見よ!」をスローガンにかかげて行う「林業体験弁当」の商品開発や家具づくりなどのユニークな活動を紹介します。

私たちの暮らしは今、効率や利便性を求めることが当たり前となってしまいました。本展をきっかけに、いま一度生活の原点に立ち返り、その豊かさについて思いをめぐらせていただければ幸いです。

会期:
2023年05月16日(火)〜2023年07月17日(月)

時間:
9:00〜21:00

会場:
生活工房ギャラリー(3F)

牧野伊三夫(まきの・いさお)
画家。1964年福岡県北九州市生まれ。多摩美術大学卒業後、広告制作会社サン・アドにデザイナーとして入社。1992年退社後、画家として活動を開始。油彩、水彩、コラージュ、壁画、音楽家とのコラボレーションなどの作品を全国各地で発表する。1999年、美術家たちと同人誌『四月と十月』を創刊、現在も刊行中。画業とともに、旅や料理、友人との交流など日常の暮らしを題材に執筆活動も行う。主な著書に『かぼちゃを塩で煮る』(幻冬舎)、『画家のむだ歩き』(中央公論新社)、『牧野伊三夫イラストレーションの仕事と体験記1987-2019』(誠文堂新光社)、『アトリエ雑記』(本の雑誌社)など。東京ADC賞、朝日広告賞、読売広告賞ほか受賞多数。

◎ヤブクグリ WEBサイト
https://www.yabukuguri.com

◎美術同人誌『四月と十月』 WEBサイト
https://4-10.sub.jp/

◎北九州市広報誌『雲のうえ』 WEBサイト
https://kumonoue.lets-city.jp/

飛驒産業広報誌『飛驒』表紙/2011-2022年

大分県日田市で林業を応援する団体「ヤブクグリ」をテーマに制作した木版画/2014年

杉の丸太に見立てた牛蒡を小さな木製のノコギリで切って食べる日本初の林業体験弁当「日田 きこりめし」/2012年/企画:ヤブクグリ生活道具研究室, 販売:寶屋

「YAECA」と「メゾンはこしま」の布を座面にあしらった日田杉製のミシン椅子/2022年/ヤブクグリ生活道具研究室製品

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